保育士の仕事

少子化なのに保育士不足、保育の現場から

Child Care

こんにちは、ユカです。

この前保育の現場にて久々に職員が3人休みになる!という危機があり、大変な状況だったのですが、実はそういう状況って前は普通でした。(え?)

今年度はめずらしく保育士&保育補助が多めに配置されていることもあり、逆に、こんなに余裕があっていいの?と不安になるほど。

なので、久々にてんやわんやの1日を過ごしておりました。

が、たまたま今年度は恵まれているだけで、きっとまた人手不足で大変な時期もくるだろうなーとは思っています。

わたしはまだ子育て中の主婦なので、家庭&子育てを優先にすべく、今はパートという働き方をしているのですが、

じゃあ、この先子どもたちが自立したときに、もう一度保育園でフルタイムで働きたいか?

というと、

ユカ

もう無理かな~

と思うところが正直なところです。

保育業界で働く魅力って、実はあまりないと思います。

わたし自身も続けている理由は、

子どもたちがかわいい、そんなかわいい子どもたちの成長を見守ることができる。

子どもたちから元気をもらえる。

ということと、資格があるので、多少時給が良い、ということだけです。

保育士の現実

多くの現役保育士がそうだと思うんですけど、

子どもたちの笑顔と成長を一番近くで見守ることができるということがやりがいにつながっていると思うんです。

職場によっては人間関係がものすごくよくて、自分にとってかなりプラスになることも多かったりもします。

わたしも、先輩ママ保育士にいろいろアドバイスをもらえたり、同世代のママ保育士と愚痴を言い合えたり、情報交換ができるのは本当にありがたいことで、今の職場にかれこれ15年くらい務めることができているのも、この環境があるからだとも言えます。

それでも、若い人たちが理想と現実のギャップから辞めていく姿もたくさん見てきましたし、

精神的に追い詰められていく保育士もたくさんいます。

なぜなのか!?

それは保育士のお仕事の量が多すぎて大変&その割に給料低すぎ

ユカ

もう、長年言われてることだけど、現場は変わらない…

わたしは派遣でOLとしても働いたことがありますが、普通に事務しているときの方が断然楽でした。

ただ、やりがいはあったか?というと…やっぱりお給料のためだけにやっていた、というのが本音です。

それを思えば、やっぱり子どもたちと過ごす時間は有意義で楽しいです。本当に。

まず、保育士といえば子どもの保育、ですよね。

そしてこれは完全に肉体労働です。

どんなに体重が重たい子どもでもあっても、歩けなければ抱っこしなければなりませんし、泣いていれば大きい子でも抱っこします。

腕がしびれて感覚がなくなっても、抱っこで寝かしつけたり、なんてことも多々あります。

年齢によっては目が離せないので、ゆっくり座り込むこともできないし、

常に動き回って子どもたちの安全を見守っていなければならないので、勤務中で心休まる時間って本当にありません。

子どもたちの午睡時にやっと一息つけるか、というとそうでもなく、

大量の書類と、ミーティング、昼休憩、を午睡中の2時間くらいでまわさなければならないし、

午睡見守りスタッフも、5分おきに呼吸のチェックと、仰向けに寝ているかのチェックをしなければならないんですね。

なので、保育の仕事って体力がないと続かないわけです。

子どもたちの保育だけでなく、成長記録をつけたり、保育内容を考えて書類にしていくのもお仕事です。これがもう大変。

保育中、子どもの面倒見ながらこれはできません。

なので、問題になっているのが、無給残業やお仕事の持ち帰りです。

これはだいぶ改善されてきているとは思いますが、まだまだブラックな環境の保育園もあると聞きます。

そして、けっこう気を遣うのが、保護者対応です。

朝夕の受け入れ、帰りの対応だけでなく、保護者の育児相談に乗るのも保育士の役目です。

様々な保護者がいるので、ものすごくストレスがたまります。

この保護者対応が原因で辞めていく人も多いです。

頑張ってやっててもキツイことを言ってくる保護者も多いです。

特に優しい保育士さんはメンタルをやられて辞めていくんです…子どもたちは大好きな先生なのに…。

加えて、保育園運営の様々な雑用を保育士はやっています。

行事の制作物や、準備、そして掃除、洗濯、玩具消毒…。こんなことまでやってんの?っていうくらい仕事があります。

それもこれも、子どもたちが安心安全、楽しく保育園で過ごせるようにするため!

その上、職場によっては人間関係がギスギスしている現場もありますから、心理的ストレスは半端ない。

こんな過酷な環境下で、給料水準も低いこの保育士という仕事をやりがいだけで乗り越えていけるかというと…

ユカ

いや、みんな辞めるでしょ

と、なるのが普通です。

実際、潜在保育士が多い理由ですね。

保育士のお仕事まとめ
  • ・子どもの保育(肉体労働)
  • ・ミーティング
  • ・大量の書類
  • ・保護者対応
  • ・行事の準備、制作
  • ・雑用(掃除、おもちゃ消毒、洗濯)

保育施設での不適切保育

最近、不適切保育という言葉をよく耳にするようになりましたが。

子どもたちの安心、安全が絶対に守られるべき保育の現場で、虐待が行われていたり、人権侵害が行われていたり、ということが発覚してきましたよね。

これって、今に始まったことではなく、昔もあったと思います。

わたしも子どもの頃、幼稚園時代に怖い先生がいて、その先生に食べられない給食を強要されたり、行動がのんびりしていることを強く叱責されたりして、一時期行けなくなったときもありました。

昔はしつけと称していろいろ体罰的なことも行われていた時代なので、仕方ないといえば仕方ないのですが、そういった環境が当たり前で育った人にとってみれば、今の子どもたちにもやってしまった、という人もいるかもしれないです。

ただ、今の時代、そういったことは絶対に許されないことです。

これは大前提として、

やっぱり人手不足なので、保育士資格をもっていれば無条件で採用、なんていう現場もあると思います。

そうするとたまに威圧的な行動をしてしまう保育士もいたりします。

こういう人は本当にレアケースだと信じたいんですけども。

ただ、保育の現場って本当にいつも余裕がないので、どんな人でもついつい脅し文句を使ってしまう、ということも時にはあると思うんですよね。

わたしもいつも言葉を選んでいるつもりであっても、あとで考えると、こういう言い方にすればよかったな、と思うこともあります。

たとえば、なかなか遊びをやめられなくて、給食への切り替えができない子がいたとき、

「楽しかったね、また遊ぼうね。たくさん遊んだからお腹すいたよね。ご飯食べよう?」

と誘うのですが、その言葉かけですぐに集まってくれる子だけではないです。

まったく耳に届かない。もっと遊びたい子はひたすら走り回ってます。

ついに

「〇〇くんの給食食べちゃうぞ~」

とか言ってしまったりするんですよね…。

一番よくないのが「〇〇ちゃんのご飯はもうないからね!」

と脅してしまうことですが、さすがにこういう言い方はしませんが、

あとで、食べちゃうぞーとかもよくなかったなーと反省し、

「どっちが早く席に着けるか競争だ!」とか言ってみればよかったかなーとか、考えてしまうわけです。

子どもたちも「よーいどん」好きなので。

でも、こういう対応って本当に、子どもの人数に対し、ある程度大人の人数もいないとできない対応でもあるんですよね。

もし担任ひとりで、1歳児6人とか相手してると結局どうにかして6人そろわせないとならないわけですから。

わたしも子どもの人権に関しての研修を受けましたが、

当たり前のことでもあるんですよ。

きっと多くの保育現場の働く人たちはきめ細かい対応をしたいと思っているし、子どもたちの気持ちに寄り添いたいと思っているはずです。

子どもたちを無理やり従わせたい、なんて思って対応している人は本当にごくわずかだと思うんです。

環境的に、そうせざるを得ない、という状況もあるのではないか、と思ってしまいます。

だからといって、手をあげるとか、そういうことはダメですけど。

あと、文句ばっかり言ってくる家庭。

わたし自身はパートなので、そこまで保護者の方と関わることはなくて、世間話程度にお話しするくらいですが、やっぱり担任となるとそういうわけにはいかないです。

なにかにつけて文句ばかり、批判ばかり、家庭でやるべきしつけまで要求してくる家庭、たまにあります。

わたしみたいな気楽なパートだと、保護者との接触があまりないので、子どもは子ども、保護者は保護者、と切り替えしていますが、

保育士といっても聖人君子ではないし、普通の人間ですから、感情的に、そういう家庭のお子さんはどうしても、苦手意識が芽生えてしまう人もいます。

やっぱり、保護者から「大変な中いつもありがとうございます」と言われれば保育士も素直に嬉しいし、頑張ろうと思えます。

余裕をもって保育できる環境。

保育士がストレスをためない環境。というのは絶対に必要です。

続けたい、続けられるという職場でなければならない

やりがいを感じている人はたくさんいるわけですから、そういう人たちが続けられるシステムにしていかないと、やっぱり今後は難しいだろうな、と感じています。

子どもの人数が減っているし、保育園は今後はどんどん減っていくからいいんじゃないか、と思う人もいるかもしれませんが、

これってわたしが保育の現場に関わり始めた20年くらい前、もっと前から言われていたことでもあります。

「少子化なんだから、保育士資格なんてもう役に立たないよ」と言われたこともありましたが、20年経った今も、保育士不足ですからね(笑)

ユカ

40代のわたしにまで、フルタイムのお誘いがあちこちからきます

めえめ

本当に人手不足なんじゃな

ユカ

そもそも国の配置基準がおかしい。あれはぜったい子育てしたことない人が勝手に決めてる数字としか思えない

20年前とまた状況は違うとは思いますが、

確かに少子化で、子どもの人数は減ってますが、保育園がなくなることはないです。

海外からの家庭も増えていて、外国人の子どもたちも今はたくさん入園してきています。

足りないと言われて保育園もたくさんできていますが、保育の現場にいて少子化を感じることはあまりありません。

確かに保育園の数は今後は減っていくと考えていますが、

保育士が余ってしょうがない、ということはないのでは?と思います。

なぜなら労働環境が過酷ですから。

やりたいという人が少ない限り、保育士不足は続くと思います。

そして保護者の保育施設への要望や期待も大きくなってきていますから、それに応えられる保育施設が増えていくような気もします。

そうするともっとプロフェッショナルな保育士が求められるようになるのかな、とも感じます。

ユカ

プロフェッショナルといえば聞こえはいいけれど、なんでもやになりそう…

めえめ

保護者からの要望は増えそうじゃしのぅ

そう考えると、その能力に応じた給料と、働きやすい環境を用意していかなければならないと思うんですよね。

でないと、優秀な若い保育士さんたちは海外に渡ってしまうような気がします。

だって海外の方がお給料がいいんですもの!!

保育士だけではないですよね。

優秀な人材が海外へ流れていってしまう、というのは最近よく言われていますが、本当に現場ではそれをひしひしと感じています。

保育園の現場で働く人の平均年齢、たぶんどこもすごいと思います。

わたしが働く現場でも、正社員、パート合わせて、20代~70代まで…そして20代が圧倒的に少ないです。

これってどうなの?と思います。

鬼ごっこで走り回ってる40代のわたしはまだ若い部類ですからね…

50代超えても走り回らなければならない現場でもあります。

ユカ

よく考えてみたらすごい職場

ほんと、切実に、どうか、待遇をよくしてください…。

ABOUT ME
ユカ
派遣OL歴2年、保育士歴15年です。時間があればまったり寺社巡りしています。おおざっぱで適当すぎと言われながらも…人生の後半を豊かに生きるため、地味なプチ起業をのんびり実行中。旅行や読書が好きな40代パート主婦