こんにちは、都内保育園にてパート保育士をしているユカです。
最近、というか、飲み会なるものがだいぶ復活してきていると思うのですが、わたしたちも、行事の打ち上げやお疲れ様会なるものが復活しました。
普通の会社の飲み会のようなものでなく、園のホールみたいなところで、片付けをしながらかるくお菓子や食べ物をつまみながら「お疲れさまー」をやるんですが、
久々にそういうものに参加して気づいたことが!
若手ばっかり!!
ということです。
そこで自分が中堅あたりにいると実感したときのことや、時代の流れを感じること、今のわたしに言えることなど、つづってみようとおもいます。
中堅保育士あるある、なんていうものもあるか!?
周りからは、『長くいる人』になっていた
わたしは今の職場に勤めて、15年になります。
わたしよりも長くいる正規職員はもういません。
パート保育士は2人のみです。この二人はもうベテランです。
ある意味、他の人たちからみればわたしもベテランの域にいるのかもしれませんが、上の2人はもはやわたしが入職したときにすでに10年近く勤務されていた方なので、わたしなど足元にもおよばない、とずっと思っています。
わたしの職場では、正規職員は若手ばかりです。20代から30代で未婚者か、もしくは既婚者でも子どもがいない人なんですね。
子どもがいても夫が比較的自由な働き方ができる、とか祖父母の全面協力がある、という人です。
なぜかというと、早番、遅番があって、定時でも、朝は7時出勤、夜は8時半退勤になるので、子どもを保育園に預けて保育園で働く、ということが難しいからです。
ただ、今は保育士不足ですから、早番免除とか遅番免除、みたいな制度を取り入れているところもあるし、わたしの職場でも一時的に免除してもらっていた人もいます。
けれど、やっぱりやりづらいと思います。他の職員に負担がのしかかるので。
そういうのを見てきた人たちは子どもを出産後はパートとして復帰していたりもします。
こんな背景があるので、パートの人はけっこう長く働いている人が多いし、続けやすいんですよね。
早番担当パート、日勤担当パート、遅番担当パートと選べるし、行事も自由参加、書類関係や保護者対応も多くないので。
とはいえ、長くいると子どもの対応にも慣れるし、兄弟のいる保護者とは顔見知りになるし、書類の手伝いもするしで、入れ替わりの激しい正規職員(特に若手)からは頼られることも増えました。
あるとき、言われたんですよ。
「ユカさんに補助で入ってもらえると、安心感が半端ないです」
わたしは保育園で勤務し始めてからずっと同じように保育をして、子どもたちに関わってきているつもりでした。
けれど、若い保育士さんからそんな言葉を言ってもらえて気づいたんです。
わたしも、成長できてるんだ!
思えば、保育園での勤務に戸惑い、余裕のない中で必死で仕事を覚えようとしていた頃もあったし、
失敗したり、子どもたちのトラブルをうまく対応できないときもありました。
何度もやめたいと思いながら、それでも、周囲の支えやフォローによって、わたしは続けられています。
この『経験』が、何事にも『動じない』自分に成長させてくれていることに気づいたんです。
慌てない、動じない、それは心の余裕を生み出すし、安心感をももたらすのでしょうね。
わたしは年の差兄妹の子育てをしているので、平成の子育て、令和の子育てをする現役の母親でもあります。
子育ての中で、母としても成長させてもらっているのは確かです。
現役の保育士で、現役の母親であることは、保育の現場では大きな強みになっているのかもしれないです。
変わりゆく働き方、子育ての仕方
感じ方が違う時間の流れ
保育士資格を取得し、初めて児童福祉の現場で働き始めてから、20年が経とうとしています。
その間、結婚、出産、子育て、仕事、さまざまな出来事がある中で、がむしゃらに毎日を過ごしてきました。
本当にあっという間の時間だったと思います。
わたしたちの世代では二十歳で成人でしたので、成人するまでの20年と、その後の20年では、時間の流れが全く違うように思えます。
成人するまでの20年でも大きく時代は変わっていっていました。
ファミコンなどのゲーム機が誕生し、子どもたちの遊びが大きく変わる時代でもあったし、
パソコンやインターネットが世界をつなぎ、ポケベルやガラケーなど革新的なものがどんどん出てきて、ネットの黎明期ともいえる新しい時代に片足を突っ込んだ世代でもありました。
それでも、時間の流れはとてつもなくゆっくりだった気がします。
その後成人してからの20年というのは、本当にあっという間。
生活する世界が変わり、見るものが変わったせいでもあるのかもしれないですね。
庇護される者から、庇護する者へ、と変わることで、大きな責任を背負うことになります。
様々な環境で責任を背負いながら、目の前の『やるべきこと』にがむしゃらに取り組んでいたら、あっという間に過ぎ去った20年、でした。
親になるって大変なことだって気づいたよ
自分だけでなく、子どもの人生を左右させるからのぅ
自分の失敗は自分でどうにかするけれど、子どもの場合はやっぱり考えちゃうからね…責任は大きいね
この間も、様々な変化がありました。
ガラケーからスマホが主流になり、ネット環境はどんどん便利になり、AIもうまれました。
世の中も働き方が変わってきたり、昭和の価値観が覆される様々な環境や変化もみられています。
急速な変化により多くの弊害もうまれています。
子育て感も変わってきていて、子育ての環境も変化しています。
世の中の動きよりも、目の前のやるべきことが多すぎて、若い時のようにすぐに順応できなくなっているのは、余裕がないから、なのかもしれないですね。
よく古い考えの大人、と若い人は思うし、わたしも若い頃はそう思ったことが何度もあります。
が、時代や環境に合わせて考え方をアップデートできないのは、もちろん年齢のせいもあるかもしれないですが、
大人になればなるほど、失敗できないというプレッシャーがあるので、慎重にもなるし、
便利なことの裏には必ず危険なことがある、という事実を経験から知っているので、
新しいものへの抵抗感はしょうがないことのなのかもしれないです。
かみ合わない働き方
わたしは昭和うまれの昭和人間です。
なので、5分前行動を叩き込まれ、集団を乱さず、暗に意見や行動を人に合わせることを教え込まれた世代でもあります。(苦痛だったし反発もしたけど)
なので、職場には勤務開始の20分前には着いて、5分前から10分前には勤務を開始しています。
けれども、今の若い人たちは勤務開始のぎりぎりの時間に職場に入ります。
これは今の時代では正しいです。
わたしも、今は早めに勤務しないように言われます。(これが難しい)
5分前行動が当たり前だった昭和人間にとっては、なかなか馴染むのが大変ですし、やっぱりトラブルも起きます。
5分前行動が当たり前だと思っている人が、そう思っていない人に注意すると、「え!?」と困惑するし、パワハラだと感じてしまうんですよね。
実際、ここ数年こういうことは本当に何度もありました。
入職した頃、「5分前には勤務開始できるようにしておいてください」
だったのが、今は、
「時間ぎりぎりまで勤務しないでください(時給が分単位で発生するので)」
ですからね。いやはや。同じ職場で働いていて、これだけでも時代の流れを感じますが、他にもあげていけば様々な変化があります。
他に大きな変化といえば、
最初の頃は「保育中に書類は禁止」だったので、サービス残業で書類をやっていました。
途中、「残業禁止」になり、保育時間中に「隙をみて書類」になり、(この場合ほとんどはパートが保育をして、担任は書類をするので、保育が疎かになる)
今は、保育時間中に「書類時間を確保」に変わっています。しっかりと人員も確保されて、書類でひとり抜けても大丈夫な状況になってます。
が、もちろん時間内に終わらない人もいます。その場合は残業手当が出るので、勤務時間外にやっています。
以前にサービス残業で書類をやっていたような人たちからしてみれば、今の状況はうらやましいですよね。
書類の時間をしっかり確保されていても、終わらせられない若手の職員に、文句の一つも言いたくなる人もたまにいます。
「自分たちは残業してでも終わらせてたのに!」という思いを持つのは…しょうがないけど、今は通用しないということも心得ておかなければならないことですね。
間に入ってフォローするのも中堅パートの役目…
情報がありすぎる子育て
わたしが15年保育園で勤務してきて、変わってきたな、というのが子育てをしている保護者の状況です。
特にコロナ禍以降、それを感じています。
もちろん、様々な保護者の方がいて、中にはかなり無茶なことを言ってくる保護者がいたり、なにをどう対応しても不満ばかり言ってくる保護者もどの時代にもいます。
そしてそれ以上に保育の現場に対し、つねに感謝の気持ちをもってくださる保護者もたくさんいます。
それは今も変わりませんが、
子育ての悩みが変わってきている、というか、子育てがよくわかっていない保護者が増えている、という印象です。
今、子育ての情報は溢れかえっています。
多くの自治体が子育て支援にも力を入れていて、子育てのサービスも増えてきています。
(にも拘わらず少子化に拍車がかかるという現実)
そんな中で、どの情報を参考にすればいいかわからない、という悩みが増えてきていると思います。
たとえば、イヤイヤ期の対応。ネットで調べたり、本を読んでみるけど、なにをやってもダメ。とか。
イヤイヤ期の対応ってその子の性格にもよるし、親の一貫した対応が重要だったりするので、あれこれ試してもあまり効果がないこともあります。
また、コロナ禍の影響もあってか、祖父母を頼らず育児をしていたり、ママ友などとも交流が少なくなって、ワンオペ育児や孤立した子育てで、どう育てていいかわからない、と悩んでいるという人も増えてきているように思います。
以前は義両親やママ友などの関係の悩みや、他の子どもたちと比べてうちの子は…という悩みが多かったのですが、最近はあまりないです。
子育ての情報も、今は検索すれば山ほど出てくるので、リアル社会で悩みを相談しあう場所がなくてもなんとか子育てはできると思います。
ただ、情報がありすぎて、その情報をどこまで信用していいのか、一体どの情報を信じていいのか、令和ならではの悩みになってきています。
保育士経験20年弱、母親経験16年で思うこと
子どもの相手をするというのはマニュアル通りにはいかない。
ということです。
子育てについて専門家の人や、保育士、母親のみなさんが様々な本を出版していたり、情報を発信されていますよね。
それはそれぞれみんな自分の経験から多くの苦労をしてきたことから、これから子どもに関わる人たちのための大切な情報です。
わたしもたくさん本を読み、たくさん検索もしました。
同じような経験をされた方のブログを読み漁り、涙したこともあります。
けれど、気づいたのは、子どもはひとりひとり違います。
同じ子どもは絶対に存在しません。
似ている子どもはいても、まったく同じ子どもは他にはいないのです。
それは、保護者や保育者も同じです。
みんな違うのです。性格も見た目も。
他の先生がこういう対応をしていたから自分も同じように対応してうまくいくか?というとうまくいかないことの方が多いです。
子どもとの信頼関係、大人の常なる態度、お互いの相性、様々なことが関係してきます。
子どもたちは本当に大人の姿をよく見ていて、保育者によって態度を変える子どもたちもたくさんいます。
だから、子どもに関わるにあたっては、情報は情報として、
自ら情報を選び取り、参考にしながら独自の対応をしていかなければならないのです。
それが子どもに関わるうえで本当に大変なことだと思っています。
わたしも事務の仕事をしていたのでわかりますが、パソコン相手だと、キーボードを打っていればいい。他の人と同じように。
けれども、子ども相手ではそうはいかない。
楽じゃないけど、それが楽しい、最近のわたしはそう思えるようになりました。
大変なことのほうが多いです。
保育士をやめたいと思ったことも、もう母親なんて嫌だと思ったこともありますが、
今はやっと楽しめるようになってきました。
母親としてもそろそろ中堅?というところでしょうか。
それでも、時々、育児から離れてひとりの時間が欲しくなります。
ひとりの時間を充実させることで、仕事も家庭でも余裕をもてる、そう思っているので、今は自分の時間を大切にするようにしています。
なかなか自分の時間を確保するのって大変なことではあるのですが、
これはいつの時代でも、大切なことです。
母親が笑顔であること、そばにいる人が笑顔であること、それは必ず良い影響を与えます。
亡き祖母は昭和初期の生まれで、戦争も経験し、嫁ぎ先でも嫁姑関係に苦労してきていますが、いつも言っていました。
「あなたが笑っていればみんな幸せ」
だから、わたしがいつも笑って過ごせるように努力すること。
時代と共に、家族のかたちも変わってきています。
それでも大事なのは子どもに関わる人たちが笑顔で子どもたちに接してあげること。
いつでもどんなときでも安心して笑って過ごせる環境であること。
それは変わらないと思います。
時代の変化の中で、どのように子育てをしていいのか?悩まれている方もたくさんいるかと思うのですが、本当に大事なことは今も昔も変わらないんじゃないかなぁと思います。
そしてその大事なことをしっかり押さえておけば、多少失敗しても大丈夫。
そう言えるようになりました。
先輩保育士、先輩ママたちから見ればまだまだなわたしですが、これからも仕事に母親業に頑張っていきたいと思います。